[目次] |
(W32)TeXの実行・スタイルファイル置き場である C:\usr\local を作り、そこに C:\Installer\TeX\ftp.naist.jp\pub\CTAN\systems\win32\w32tex 内のファイルを、C:\Installer\TeX\texinstwin\texinstwin.exe により展開します。次に、TeXコマンド実行ファイル置き場 C:\usr\local\bin にパスを通しておきます。
① C:\usr\local を作る。(絶対に必要)
(解説)
これをしておかないと、後の手順④において、cd \usr\local が飛ばされ、次に作る C:\Installer\W32TeX_install 以下の全てフォルダ・ファイルが削除されるという事故が起きてしまいます。
② 次を記述した C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\W32TeX_install.bat を作る。ただし、白枠部分(画像)のコマンドを誤って単独で実行することがないように、細心の注意を払ってください。
cd ..\..\.. del TeX.zip \PROGRA~1\Lhaplus\Lhaplus /c:zip .\TeX cd \usr\local xcopy /e /i /y .\share\texmf-dist\fonts\pk \musixtexmf\fonts\pk copy \Installer\TeX\texinstwin . texinstwin \Installer\TeX\ftp.naist.jp\pub\CTAN\systems\win32\w32tex for %%a in (*) do if exist \Installer\TeX\texinstwin\%%a del %%a clip < \Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt \PROGRA~1\WINDOW~2\ACCESS~1\wordpad .\share\texmf-dist\web2c\texmf.cnf |
(解説)
バックアップとして、TeX.zip を作っておきます。白枠部分は、再インストールの際にアンインストールするためのものですが、カレントディレクトリ以下の全てのフォルダ・ファイルをこみ箱非経由で削除するという、事故が起きてはならないコマンドです。カレントディレクトリがドライブだと、パソコンをソフトに、迅速に破壊するのは有名な話です(YouTube実行してみた)。ニコニコ大百科にも説明があります。ぜひともご参照ください。
ただし、5行目「xcopy …」の通り、既成のpkファイルだけは、事前にもう1つの「texmf」(後述)に上書きコピーしておきます。
フォルダtexinstwin 内のファイルにより、すでにダウンロードしたxzファイルを C:\user\local の適切なディレクトリに展開します。実行ファイルを .\bin に、styファイルなどを .\share に展開します。
最後の2行は、C:\musixtexmf をもう1つの texmf と認識させるためのものです。(詳しくは後述)
後に行う texmf.cnf の編集を快適に行うために、指定の文字列をクリップボードにコピーする実行ファイル clip.exe を使います。OSが Vista 以上なら標準で搭載されています。XP 以下なら標準では搭載されていないので、Vector からもらってきます。
XP以下の場合: ① https://www.vector.co.jp/download/file/winnt/util/fh339026.html から clip.exe をもらい、C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install に入れる。 ② C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\W32TeX_install.bat を次のように編集する。 最後から2行目「clip < \Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt」を \Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\clip < \Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt に書き加える。 |
ここからは再び Windows 共通です。
③ 次を記述したファイル C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt を、メモ帳により作成する。
TEXMFLOCAL = /musixtexmf |
④ C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\W32TeX_install.bat をダブルクリックする。
⇒ 数分程度、xzファイルの展開が続く。この間、クリップボードにコピーをしないでください。(してしまった場合は、C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt に記述されている 「TEXMFLOCAL = /musixtexmf」をコピーしてください)
⇒ ワードパッドが C:\usr\local\share\texmf-dist\web2c\texmf.cnf を開き、いったん止まる。
⑤ 開かれているワードパッドで「pla」を検索し、最初にヒットする箇所の次の行頭に「% 」を追加、次の行頭でクリップボード貼り付けボタンを押す ⇒「TEXMFLOCAL = /musixtexmf」が貼り付けられる
% The main tree, which must be mentioned in $TEXMF, below: TEXMFMAIN = $TEXMFROOT/texmf-dist
% A place for local additions to a "standard" texmf tree. For example: % TEXMFLOCAL = $TEXMFROOT/texmf-local TEXMFLOCAL = /musixtexmf TEXMFPROJECT = $TEXMFROOT/texmf-project TEXMFCONTEXT = $TEXMFROOT/texmf-context TEXMFFONTS = $TEXMFROOT/texmf-fonts
% The main distribution tree: TEXMFDIST = $TEXMFROOT/texmf-dist |
⑥ 上書き保存してワードパッドを閉じる。⇒ コマンドプロンプトも閉じられる
platex などのコマンドを実行するのに、その都度パスである \usr\local\bin も記述することになってしまいます。環境変数PATHの値にそこを加えておくと、その必要がなくなります。そのための操作は、OS ごとに異なります。
⑦ 「環境変数」を編集するダイアログを開く。
(ア) Vista 以上
コントロールパネル > システム > システムの詳細設定 > タブ「詳細設定」 > 環境変数
(イ) XP
コントロールパネル > システム > タブ「詳細設定」 > 環境変数
コントロールパネル > システム > 詳細設定 > 環境変数
(ウ) Windows98以下
autoexec.bat を編集
⑧ (ユーザー名)の環境変数, システム環境変数のどちらか一方の PATH に次の各値を追加する。Windows7 以前なら、「;」(セミコロン)で区切り、Windows10 以降なら、行間で区切る(でないと設定が反映されない)。変数 TEMP, TMP は(ユーザー名)の環境変数, システム環境変数ともに次の値にする。
変数 |
値 |
PATH |
C:\usr\local\bin;C:\dviout;C:\PROGRA~1\gs\gs9.52\bin;C:\PROGRA~1\gs\gs9.52\lib |
ACTIVEPERL_PPM_HOME | C:\Perl\ppm |
TEMP |
C:\Temp |
TMP |
C:\Temp |
これで W32TeX のインストールが完了し、コマンドプロンプトなどで TeX コマンドが実行できるようになったはずです。
W32TeX のインストールはできましたが、最新の TeX にするために、W32TeX_p をインストールします。そのために、次ページの再インストール法を押さえておきます。
それが完了したら、dviファイルビューワや編集ソフトをその次にインストールしていきます。
< 前「W32TeXダウンローダーの作成」へ > 次「W32TeX再インストール法」を確認する > 「dvioutのインストール」へ