2. W32TeXのインストール

[目次]

2.1 インストーラーの作成

2.2 texmf.cnf の編集のための準備

2.3 インストール

2.4 C:\usr\local\bin にパスを通す

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2.1 インストーラーの作成

 (W32)TeXの実行・スタイルファイル置き場である C:\usr\local を作り、そこに C:\Installer\TeX\ftp.naist.jp\pub\CTAN\systems\win32\w32tex 内のファイルを、C:\Installer\TeX\texinstwin\texinstwin.exe により展開します。次に、TeXコマンド実行ファイル置き場 C:\usr\local\bin にパスを通しておきます。

C:\usr\local を作る。(絶対に必要)

(解説)

 これをしておかないと、後の手順④において、cd \usr\local が飛ばされ、次に作る C:\Installer\W32TeX_install 以下の全てフォルダ・ファイルが削除されるという事故が起きてしまいます。

② 次を記述した C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\W32TeX_install.bat を作る。ただし、白枠部分(画像)のコマンドを誤って単独で実行することがないように、細心の注意を払ってください。

cd ..\..\..

del TeX.zip

\PROGRA~1\Lhaplus\Lhaplus /c:zip .\TeX

cd \usr\local

xcopy /e /i /y .\share\texmf-dist\fonts\pk \musixtexmf\fonts\pk

copy \Installer\TeX\texinstwin .

texinstwin \Installer\TeX\ftp.naist.jp\pub\CTAN\systems\win32\w32tex

for %%a in (*) do if exist \Installer\TeX\texinstwin\%%a del %%a

clip < \Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt

\PROGRA~1\WINDOW~2\ACCESS~1\wordpad .\share\texmf-dist\web2c\texmf.cnf

(解説)

 バックアップとして、TeX.zip を作っておきます。白枠部分は、再インストールの際にアンインストールするためのものですが、カレントディレクトリ以下の全てのフォルダ・ファイルをこみ箱非経由で削除するという、事故が起きてはならないコマンドです。カレントディレクトリがドライブだと、パソコンをソフトに、迅速に破壊するのは有名な話です(YouTube実行してみた)。ニコニコ大百科にも説明があります。ぜひともご参照ください。

 ただし、5行目「xcopy …」の通り、既成のpkファイルだけは、事前にもう1つの「texmf」(後述)に上書きコピーしておきます。

 フォルダtexinstwin 内のファイルにより、すでにダウンロードしたxzファイルを C:\user\local の適切なディレクトリに展開します。実行ファイルを .\bin に、styファイルなどを .\share に展開します。

 最後の2行は、C:\musixtexmf をもう1つの texmf と認識させるためのものです。(詳しくは後述)

2.2 texmf.cnf の編集のための準備

 後に行う texmf.cnf の編集を快適に行うために、指定の文字列をクリップボードにコピーする実行ファイル clip.exe を使います。OSが Vista 以上なら標準で搭載されています。XP 以下なら標準では搭載されていないので、Vector からもらってきます。

XP以下の場合:

https://www.vector.co.jp/download/file/winnt/util/fh339026.html から clip.exe をもらい、C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install に入れる。

② C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\W32TeX_install.bat を次のように編集する。

最後から2行目「clip < \Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt」を

\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\clip < \Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt

に書き加える。

 ここからは再び Windows 共通です。

③ 次を記述したファイル C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt を、メモ帳により作成する。

TEXMFLOCAL = /musixtexmf

2.3 インストール

④ C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\W32TeX_install.bat をダブルクリックする。

⇒ 数分程度、xzファイルの展開が続く。この間、クリップボードにコピーをしないでください。(してしまった場合は、C:\Installer\TeX\Installer_W32TeX\W32TeX_install\addition_texmf.txt に記述されている 「TEXMFLOCAL = /musixtexmf」をコピーしてください)

⇒ ワードパッドが C:\usr\local\share\texmf-dist\web2c\texmf.cnf を開き、いったん止まる。

⑤ 開かれているワードパッドで「pla」を検索し、最初にヒットする箇所の次の行頭に「% 」を追加、次の行頭でクリップボード貼り付けボタンを押す ⇒「TEXMFLOCAL = /musixtexmf」が貼り付けられる

% The main tree, which must be mentioned in $TEXMF, below:

TEXMFMAIN = $TEXMFROOT/texmf-dist

 

% A place for local additions to a "standard" texmf tree. For example:

% TEXMFLOCAL = $TEXMFROOT/texmf-local

TEXMFLOCAL = /musixtexmf

TEXMFPROJECT = $TEXMFROOT/texmf-project

TEXMFCONTEXT = $TEXMFROOT/texmf-context

TEXMFFONTS = $TEXMFROOT/texmf-fonts

 

% The main distribution tree:

TEXMFDIST = $TEXMFROOT/texmf-dist

⑥ 上書き保存してワードパッドを閉じる。⇒ コマンドプロンプトも閉じられる

2.4 C:\usr\local\bin にパスを通す

 platex などのコマンドを実行するのに、その都度パスである \usr\local\bin も記述することになってしまいます。環境変数PATHの値にそこを加えておくと、その必要がなくなります。そのための操作は、OS ごとに異なります。

⑦ 「環境変数」を編集するダイアログを開く。

(ア) Vista 以上

コントロールパネル > システム > システムの詳細設定 > タブ「詳細設定」 > 環境変数

(イ) XP

コントロールパネル > システム > タブ「詳細設定」 > 環境変数

コントロールパネル > システム > 詳細設定 > 環境変数

(ウ) Windows98以下

autoexec.bat を編集

(ユーザー名)の環境変数, システム環境変数のどちらか一方の PATH に次の各値を追加する。Windows7 以前なら、「;」(セミコロン)で区切り、Windows10 以降なら、行間で区切る(でないと設定が反映されない)。変数 TEMP, TMP(ユーザー名)の環境変数, システム環境変数ともに次の値にする。

変数

PATH

C:\usr\local\bin;C:\dviout;C:\PROGRA~1\gs\gs9.52\bin;C:\PROGRA~1\gs\gs9.52\lib

ACTIVEPERL_PPM_HOME C:\Perl\ppm

TEMP

C:\Temp

TMP

C:\Temp

 これで W32TeX のインストールが完了し、コマンドプロンプトなどで TeX コマンドが実行できるようになったはずです。

 W32TeX のインストールはできましたが、最新の TeX にするために、W32TeX_p をインストールします。そのために、次ページの再インストール法を押さえておきます。

 それが完了したら、dviファイルビューワや編集ソフトをその次にインストールしていきます。

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